Biography

ソロ・デビュー前、リチャード・マークスはコマーシャルでヴォーカルを担当したり、ライオネル・リッチーのバック・アップ・シンガーを務めたりしながら、1980年代後半にブレイクをもたらすことになる自分の才能に磨きをかけていった。
 
そして1987年、ついにセルフ・タイトル・アルバム「Richard Marx」でデビューしたリチャード・マークスは、一躍チャートの上位に駆け上っていった。リチャードの最初のヒット曲はウェスト・コースト・サウンドのR&R「Don't Mean Nothing」だが、彼の強みは見事No.1を獲得した「Hold On To The Nights」のようなバラードにあった。そして、1989年にリリースされたセカンド・アルバム「Repeat Offender」からは、「Satisfied」「Right Here Waiting」の2枚のシングルを連続で全米チャートNo.1に送りこむという快挙を成し遂げた。しかし、1991年リリースの3枚目のアルバム「Rush Street」辺りから、彼の強みであるメロディアスな楽曲がマーケットで非主流になってきたこともあって、彼の成功に陰りが見えはじめた。実際、1994年発売の4枚目のアルバム「Paid Vacation」に関しては、「Now and Forever」というTop.10ヒット曲を出してるにも関わらず、すぐにチャートから姿を消す結果となっているし、その後、1997年春にはよりR&B色を強く打ち出した5枚目のアルバム「Flesh & Bone」を発表しているが、やはりセールス的にはあまり芳しくない結果となっている。そして、1997年の後半には、キャピトルからリリースされる最後のアルバムとして、ベスト盤「Greatest Hits」を発表し、キャピトルを離れた。 一方で同時期、リチャード・マークスは映画「Anastasia」のテーマ曲である「At The Beginning」をDonna Lewisとデュエットしてスマッシュ・ヒットを記録してもいる。
 
1999年、リチャードは自身のレーベル「Signal 21 Records」を設立したり最新鋭の録音スタジオを建設したりする一方、自身の6枚目のアルバムの為の曲を作ったり他のアーティスト達と仕事したりしていて、その中には映画「Message In A Bottle」サントラ収録曲でLaura Pausiniが歌う「One More Time」やSarah Brightmanの「The Last Words You Said」、Barbra Streisand とVince Gillのデュエット曲「If You Ever Leave Me」、*NSYNCの「This I Promise You」、SHeDAISYの「Still Holding Out For You」、Shane Minorの「Easy to Believe」が含まれている。
 
そしてこの創作意欲は2000年に入っても衰えることなく、ナタリー・コールの為の「Angel On My Shoulder」や新人オペラ歌手ジョシュ・グローバンの為の「トゥ・ホエア・ユー・アー」の作曲やプロデュースを手掛けたりしてきているし、他のアーティスト達との仕事の中にはSHeDAISYのクリスマス・アルバムの為の「Brand New Year」や Kenny Rogersのアルバム「There You Go Again」の為の2曲「Crazy Me」と「I Do It For Your Love」の作曲・プロデュースも含まれている。しかし、そんな状況においても自身の6枚目のアルバムの為の作曲、レコーディングは行ってきており、待望の新作「Days in Avalon」はついに2000年10月24日アメリカで発売となりました。
 
その後も、リチャード・マークスはマイケル・ボルトンの新作「オンリー・ア・ウーマン・ライク・ユー」の為の作曲、プロデュースをマイケル・ボルトンと共に手掛けたり、2001年になってもケニー・ロギンスの新作の為の4曲の作曲を、ケニー・ロギンスと共同で手掛けたりしてきており、他のアーティスト達との仕事の中には、Emerson DriveやMarie Sistersといった新人ポップ・カントリー・アーティスト達の為の作曲やプロデュースも含まれている。しかしそんな中、リチャード・マークスはついに自身のアルバム「デイズ・イン・アヴァロン」を日本でも2002年9月26日に発売しました。しかもこのアルバム、日本では装いも新たに発売となりました。
 
2004年2月8日、第46回グラミー賞授賞式でルーサー・ヴァンドロスと共に作曲を手掛けた「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」で最優秀楽曲賞を受賞した、リチャード・マークスは、その年の後半、待望の新作「マイ・オウン・ベスト・エネミー」をリリースしました。リチャード・マークスとデヴィッド・コールの共同プロデュース作品である、この全12曲入りのアルバムは、発売元が最初の2枚のアルバムをリリースした古巣のEMI マンハッタン・レコードとのことで、しかもフィー・ウェイビルが歌詞を書いた1曲を除く全ての作詞・作曲をリチャード・マークスが担当しているとのことです。因みに、リチャード・マークス曰く、このアルバムは、R&Bやカントリーの影響が反映されていたここ何年かのアルバムと異なり、デビュー当時のようなギター・ロック路線に回帰した作品とのことです。
 
その後も、リチャード・マークスはVertical Horizonのリードシンガー、Matt Scannellとのコラボレーション・アルバム「Duo」を発表。2008年10月31日には、「Emotional Remains」と「Sundown」を自身のウェブサイトを通じて同時リリースした。そして様々なコンピレーションやグレイテスト・ヒッツ・アルバムのリリースの後、リチャード・マークスは、初のクリスマス・アルバム「Christmas Spirit」を全米で2012年10月22日に発売。2014年7月8日にはアルバム「Beautiful Goodbye」をリリースしました。そして、BMGと新たなグローバル規模のレコーディング&カタログ契約を結んだ後、2020年2月7日にはアルバム「Limitless」を全米でリリース。2021年7月2日には最新ベスト盤「Stories To Tell: Greatest Hits And More」をリリースし、2021年7月6日には自伝「Stories To Tell: A Memoir」を全米で出版。2022年9月30日には新作「Songwriter」をリリースしました。
 
とにかく、とりあえずリチャード・マークスの音楽を聴いてみたいという方には、最新ベスト盤「Stories To Tell: Greatest Hits And More」をお薦めします。是非とも聴いてみて下さい。

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